今回のドーフィネは、自分にとってもたくさんは知らない選手も多いので、彼らがどんなアシストをするのか、解説の辻さんが非常に詳しく説明してくださっているので、それらを参考に備忘録的にまとめる。
今日のコースはなんだかんだで結構登る山を含んではおり、そこで一度ピュアスプリンターたちが遅れたようではあったが、それでもそのあとの下りを利用して1つにまとまり、最後は5㎞のひたすらまっすぐな平坦。完全なスプリントステージとなった。
(終盤のカテゴリのない登りでボーラ・ハンスグローエのレオポルド・ケーニッヒが遅れてしまった。長期離脱からの復活だっただけに、まだ調子が戻らないのか? ツールはあくまでもマイカをエースにし、彼はブエルタに照準を合わせるのだと思うので、焦らずじっくりとコンディションを整えていってほしい。今大会は25歳のブッフマンに総合エースを任せてしまおう)
今日、終始積極的な動きを見せたのがコルブレッリ率いるバーレーン・メリダと、ボアッソンハーゲン率いるディメンションデータであった。
ディメンションデータは北のクラシックでも活躍していたイギリス人のスコット・スウェイツが牽引。
バーレーン・メリダは、残り3㎞くらいまで新城幸也が全力の牽引を見せ、その後ろにもボルト・ボジッチ、グレガ・ボーレと並んでコルブレッリが控えていた。
だが、この日最強のトレインを形成したのはカチューシャ・アルペシンだった。
「人間機関車」トニー・マルティンが相変わらず完璧な牽引を行い、その後ろにはモルコフ?ビストラム?どちらかがいて、その背後にツァペル、クリストフの最強コンビ。
ラスト500mは勾配4%の登りレイアウトであったが、ここでカチューシャは、ツァペルともう1人のアシストによる他チームを圧倒する牽きで、これはもう、クリストフの圧勝、と思われた。残り300mでまだツァペルが残っていたのだ。
だが、このあと、発射されたクリストフがまったく伸びなかった。
その間に、後方で、今年新加入のイタリア人ヤコボ・グアルニエーリがデマールを連れてポジションを上げていく。グアルニエーリは一度ボアッソンハーゲンと押し合いになったものの、しっかりとそれをはねのけて、右側の狭い隙間を突き抜けていった。
グアルニエーリはデマールを、集団先頭までひきあげることはできなかった。
だが、今度はデマール自身が、驚異的な加速でもって一気にクリストフを抜き去り、先頭に躍り出た。
登りスプリントという、彼にとって得意とするレイアウトで、その力を見せつけた形となった。
この日は、とにかくグアルニエーリの巧みなアシストとデマールの力が突出していた。アシストたちの力だけでいえばカチューシャが最強だったかもしれないが、エースのクリストフが、カリフォルニアから続く不調から抜け出せずにいた。
あとは、サンウェブの若きスプリンター、バウハウスが今日のメンツの中でも5位につける好走を見せてくれた。
同じ登りゴールのノケレ・クルス3位の力がしっかりと発揮できた形だ。そのとき負けた相手であるブアニには、この日も勝てなかったけれど。
期待されていたボアッソンハーゲンはバウハウスにも負ける6位。ちょっとラストのポジションが悪かったかな。