クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2017 第6ステージ

今年のツールのクイーンステージにもほぼ同じレイアウトで登場する超級山岳モン・デュ・シャ(猫の山)。

10km以上の距離を平均10%で登るかなりキツイ山を登る。

 

 

ここでまず攻撃を仕掛けたのはアレハンドロ・バルベルデ。ルーベン・フェルナンデスの先駆けに後追いで乗っかり、単独で先頭を追走する形に。

ここにアルとチャベスとサンデル・アルメが追い付く。結局、1kmほど走って集団に追い付かれる。

 

この登りで脱落していったのはLLサンチェス、デヘント、ボズウェル、ブライコビッチ、バルギル、オーメン、ラトゥール、サイモン・イェーツ。

バルギルはまた・・・。そして新人賞候補だった3人が一気に遅れ、残ったのはメインチェスとブッフマンのみ。

ブッフマン! ブッフマン頑張れ!

 

 

山頂まで残り3.5km地点でアルがアタック。バルデがこれに一度喰らいつくが、やがて引き離される。

後方ではフルームが一度、ポートたちのメイン集団から遅れかけるが、クフャトコフスキがこれをアシストする。コンタドールはフルームの背中に張り付く。

山頂まで残り3kmを切って、クフャトコフスキが脱落。メインチェスもここで脱落。

ブッフマンまだ残ってる!

 

 

山頂まで残り2.5kmでバルデ、バルベルデコンタドールが遅れ始める。

同じころ、先頭を一人で走っていたオリバー・ナーセンにアルとフグルサングが追い付く。アルが先頭に。

気が付けば、この2人を追っているのはリッチー・ポートとフルームだけに。

途中まで彼らと一緒に走っていたダニエル・マーティンが、バルデたちとの間に単独で。

いやー、結局フルーム強いじゃないか。

そしてリッチー・ポートは昨年ツールに続き好調。このままならマイヨ・ジョーヌ着用もイケそうだ。

 

 

山頂まで残り1.2km地点で再びアルがアタック。

単独で先頭に出て、そのまま山頂通過。

そこから12秒遅れでフルーム、ポート、フグルサング

そして25秒差でマーティン。1分3秒差でバルデ、バルベルデコンタドール

 

そして、フルームの驚異の下り!

あやうくポートたちが突き放されるところだった。

そうして、結局4人になった先頭集団は、そのままゴールへ。

最期のスプリントでアルが最初に諦め、フグルサング、フルーム、ポートが3人並んでのスプリント。

 

勝ったのはフグルサング

アスタナにとっては、スカルポーニ以来の、今シーズンようやくの2勝目。

そしてフグルサングにとっては、アスタナに移籍してからの初勝利だという。

 

 

後続はマーティンに追い付いたバルデとバルベルデが3人でゴール。50秒遅れ。

そして、下りで遅れたコンタドールが、ナーセンと一緒に1分6秒遅れでのゴールとなった。

 

 

今日のレースでわかったことは、

  • フルームは十分強い。特に下りが他を圧倒するクオリティ。
  • ポートもやはりフルームに匹敵する力を持っており、今年の優勝候補。
  • アルも調子が良い。フグルサングと共にダブルエースでツールに臨めれば、アスタナというチームが存在感を示せる可能性が十分にある。
  • バルデ、バルベルデが一段劣る位置に。そしてコンタドール
  • マーティンも今年は総合ベスト10に入れそうか。

 

そして、ブッフマンがステージ10位。総合8位。ラトゥールを50秒離しての新人賞獲得! これは嬉しい。

 

ブッフマンはドイツ期待の総合系選手で、2年前のツールでは、アスパン峠とツールマレー峠を越える難関山岳ステージ(マイカが逃げ切り勝利を決めたステージ)で区間3位を獲る走りを見せている。

 

この夏のツールでも、マイカを支える重要な存在と信じている。楽しみな選手だ。

クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2017 第4ステージ

リッチー・ポートの勝利、フルームの意外な失速、そしてデヘントの健闘とマイヨ・ジョーヌ維持など、見所は沢山あったものの、個人的に最も気になるのが、「総合勢の状況」。

以下、総合勢として今後活躍が期待できる選手たちのタイム差状況を確認する。

(中にはアシストとして入っており本気を出していない選手もいることは十分に考えられる)

 

距離:23.5km

起伏:TTバイクで十分こなせる程度のアップダウン

 

  1. リッチー・ポート(28分7秒)
  2. アレハンドロ・バルベルデ(+24秒)
  3. アルベルト・コンタドール(+35秒)
  4. クリス・フルーム(+37秒)
  5. サム・オーメン(+50秒)
  6. ピエール・ラトゥール(+59秒)
  7. アンドリュー・タランスキー(+1分)
  8. サイモン・イェーツ(+1分3秒)
  9. エマヌエル・ブッフマン(+1分12秒)
  10. ダニエル・マーティン(+1分18秒)
  11. ファビオ・アル(+1分18秒)
  12. ヤコブ・フールサン(+1分19秒)
  13. ルイ・メインチェス(+1分53秒)
  14. ロマン・バルデ(+1分53秒)
  15. エステバン・チャベス(+2分14秒)
  16. ダヴィド・ゴデュ(+2分25秒)

 

え、チャベス、何やっとん??

確かにTT速いキャラじゃないのは知ってるが、イェーツやバルデと比べてもこれだけ遅いのは大事件。

やはり長期にレースから離れていた影響が少なからず出ているか。ツールもチャベス、イェーツで出るようだが、実質的なダブルエース体制になる可能性もあるかもしれないね。

 

あとはピュアクライマーの印象が強かったラトゥールが結構いいタイムを出しているのも驚き。タランスキーより速いしね。そう考えるとイェーツも良い。アダムの方はジロでイマイチだったが、サイモンの方は割とTT、イケる方なのかな?

個人的に期待しているブッフマンがこの位置なのは少し残念。

 

 

全体的に見るとバルベルデの調子の良さを強く感じられ、やはり今年のツールは、フルーム・ポート・バルベルデが中心となって総合表彰台を争う可能性が出てきたね。

クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2017 第3ステージ

辻啓さんは現役ライダー達に対する知識量が半端なく、聞いていて本当に勉強になる解説をしてくれる。永田さんも聞きやすい声とトーン、テンポで、次々と辻さんの話を引き出してくれるので、絶妙なコンビだと思う。

 

ということで今日もいろいろ学んだ。

 

たとえば、

 

1.トゥーンスが昨日タイムアウトだって! パンクして助けが来なかったらしい。残念だけど、チームはコンタドール優先だろうしねぇ・・・トゥーンスは昨年もツールでいいスプリントしてたし、今年こそ頑張ってほしい! あれ、でも昨年のツールのITTで落車して大怪我を負ったの彼だっけ? ぜひリベンジを!

 

2.コカールが今年いっぱいでディレクトエネルジーを去る宣言! ツールで確実にエースを張らせてもらえるチームなのに、どうした・・? 他に行けるところなんて・・・あ、あーじぇーどぅーぜるとか?? でもあそこもトレイン微妙な気がするよ・・ ちなみにディレクトエネルジーのベルノーGMが「そんなこと言うお前は今年ツールに出さん」とか言ったとか(笑) さすがに撤回したようだが、チームとしては勝ちを狙える可能性いるコカールを出さないわけにはいかないだろう(笑) あーでも残念。来年はディレクトエネルジーの本拠地スタートなのにねぇ。

 

3.丸ハンドルがサイモン。まるっとサイモン。コンパクトはアダム。

 

4.今大会最年少はゴデュ。次に若いのがロット・スーダルのジェイムズ・ショー。ショーはU23リエージュ〜バストーニュ〜リエージュで5位。イェーツ兄弟の次に来る期待のブリティッシュオールラウンダーだとか。へー。ちなみにゴデュは昨年ラヴニール覇者で今年のフレッシュ・ワロンヌ終盤の飛び出しも力強く、個人的にはこちらも期待している。

 

5.リック・ツァペルの父、有名なエリック・ツァペルは現在、キャニオンのアンバサダー?社員?でキャニオン使ってるカチューシャやモビスターのチームカーに帯同して意見集約してるらしい。

6.ルワンダのニヨンシュチは幼い頃に兄弟を虐殺で殺されている。


などなど。

 


さて、レースの展開は残り14㎞地点でタイム差が1分40秒とまさかの逃げ切り展開の可能性が浮上してきた。
カチューシャが危機感を持ち、マシャドやラメルティンクのようなオールラウンダー系の選手の本気の牽引が始まる。
ただ、カチューシャが本気出すときって大体間に合わないイメージなんだよなぁ・・。


残り9㎞の段階でバーレーンメリダも前に出てきて、リトアニアチャンピオンのナヴァルダスカスが先頭。その後ろに新城、ボーレ、コルブレッリと続く。

 

しかし間に合わない。これはもう、完全に逃げ切りだ。

 


今回の逃げメンバーは6人。ロットNLからベルミューランと繰り下げで山岳賞ジャージを着るボウマン。ディレクトエネルジーからブライアン・ノロー。ワンティからバカールト。そして連日逃げに選手をのせているデルコマルセイユプロヴァンスのパテとシシュケヴィチュス。


シシュケヴィチュスはパリ〜ニースなどで積極的に逃げる姿を見せる。今年のパリ〜ニースでコルブレッリが勝ったステージでは10位に入るなど、スプリント力もある選手だ。


せっかく頑張っているデルコマルセイユ


ここで勝利を挙げて欲しかった。

 

 


だが、最後のスプリントで最初に飛び出したのはボウマン。その背後にすぐさまシシュケヴィチュスとバカールトが張り付くが、体重が軽いボウマンが、わずかな登りスプリントでリードを譲らずにそのまま逃げ切った。

 

繰り下げとはいえ山岳賞ジャージを着る選手が、平坦ステージで、逃げ切り勝利
まさかまさかの展開だった。
やっぱりカチューシャの追っかけは呪われてるよ〜。

 

ドーフィネの山岳賞ジャージは本家の山岳賞ジャージよりも格好いい印象。
そんなジャージがガッツポーズ決める今日のゴールシーンはなかなか見ごたえあるので、ぜひどこかで見てほしいところ。

クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2017 第2ステージ

今回のドーフィネは、自分にとってもたくさんは知らない選手も多いので、彼らがどんなアシストをするのか、解説の辻さんが非常に詳しく説明してくださっているので、それらを参考に備忘録的にまとめる。

 


今日のコースはなんだかんだで結構登る山を含んではおり、そこで一度ピュアスプリンターたちが遅れたようではあったが、それでもそのあとの下りを利用して1つにまとまり、最後は5㎞のひたすらまっすぐな平坦。完全なスプリントステージとなった。
(終盤のカテゴリのない登りでボーラ・ハンスグローエのレオポルド・ケーニッヒが遅れてしまった。長期離脱からの復活だっただけに、まだ調子が戻らないのか? ツールはあくまでもマイカをエースにし、彼はブエルタに照準を合わせるのだと思うので、焦らずじっくりとコンディションを整えていってほしい。今大会は25歳のブッフマンに総合エースを任せてしまおう)

 

 

今日、終始積極的な動きを見せたのがコルブレッリ率いるバーレーンメリダと、ボアッソンハーゲン率いるディメンションデータであった。


ディメンションデータは北のクラシックでも活躍していたイギリス人のスコット・スウェイツが牽引。


バーレーンメリダは、残り3㎞くらいまで新城幸也が全力の牽引を見せ、その後ろにもボルト・ボジッチ、グレガ・ボーレと並んでコルブレッリが控えていた。

 


だが、この日最強のトレインを形成したのはカチューシャ・アルペシンだった。

 


「人間機関車」トニー・マルティンが相変わらず完璧な牽引を行い、その後ろにはモルコフ?ビストラム?どちらかがいて、その背後にツァペル、クリストフの最強コンビ。

 

ラスト500mは勾配4%の登りレイアウトであったが、ここでカチューシャは、ツァペルともう1人のアシストによる他チームを圧倒する牽きで、これはもう、クリストフの圧勝、と思われた。残り300mでまだツァペルが残っていたのだ。

 

だが、このあと、発射されたクリストフがまったく伸びなかった。


その間に、後方で、今年新加入のイタリア人ヤコボ・グアルニエーリがデマールを連れてポジションを上げていく。グアルニエーリは一度ボアッソンハーゲンと押し合いになったものの、しっかりとそれをはねのけて、右側の狭い隙間を突き抜けていった。

 

グアルニエーリはデマールを、集団先頭までひきあげることはできなかった。
だが、今度はデマール自身が、驚異的な加速でもって一気にクリストフを抜き去り、先頭に躍り出た。

 

登りスプリントという、彼にとって得意とするレイアウトで、その力を見せつけた形となった。

 

 


この日は、とにかくグアルニエーリの巧みなアシストとデマールの力が突出していた。アシストたちの力だけでいえばカチューシャが最強だったかもしれないが、エースのクリストフが、カリフォルニアから続く不調から抜け出せずにいた。

 

あとは、サンウェブの若きスプリンター、バウハウスが今日のメンツの中でも5位につける好走を見せてくれた。
同じ登りゴールのノケレ・クルス3位の力がしっかりと発揮できた形だ。そのとき負けた相手であるブアニには、この日も勝てなかったけれど。


期待されていたボアッソンハーゲンはバウハウスにも負ける6位。ちょっとラストのポジションが悪かったかな。

ブリューゲル「バベルの塔」展

行ってきました。

上野の東京都美術館にて。7月2日までやっています。

本当はミュシャ展行く予定だったんだけど、そっちが90分待ちとかいう情報が出回っていて、急遽こっちに。

やっぱり期間の最初と最後のあたりは行くもんじゃないね(ミュシャ展は6月5日まで)。

真ん中くらいの時期が一番いい。

結果、バベルの塔展に来たわけだけど、ミュシャ展行くよりも良かったかもしれない。大好物だった。

ちなみにバベ塔展の方もそれなりの混み具合。本命「バベルの塔」の絵の前は三重くらいの人だかりでベストポジションにつくにはそれなりに待たなければならない。

(時間帯は13時~15時)

 

 

さて、バベルの塔展だが、本命のブリューゲルバベルの塔」はコーナーの一番最後の方にあり、最初は16世紀前半のネーデルラントにおける、イタリア・ルネサンスの影響を受けた写実的な絵画の発展のコーナーから。次に、当時のネーデルラント美術およびブリューゲルに大きな影響を与えたヒエロニムス・ボスの作品と続く。

一番最初が「ネーデルラント彫刻」で、当時の彫刻なんてほとんど見たことがなかったのでこれはこれで新鮮だった。キリストや聖人の像なんだけど、衣服の裾までが丁寧に作られていること、そして基本木彫りなんだけど、彩色することで金属であるかのように見せた、という技術が感嘆モノだった。一部色の残っているモノもあったんだけど、金色とか、本当に金で出来ているように見えた(観覧者の中には「これ金属なんだねー」と勘違いしている人もいたくらい・・・オーク材って書いてあるよ!)

 

そして、本命「バベルの塔」はもちろん凄かった。

バベルの塔は2種類あって、今回来日しているのは後期の方。よりハイ・スケールで塔自体にフォーカスしたもの。

とにかくリアル。幻想をここまで現実的に描いたのは凄い。大好物。

周辺の風景は当時のネーデルラントを参考にしているようだが、彼がその画業前半で身に着けた風景画や船の造形の経験を取り込んでいる。

そして、レンガや漆喰をクレーンで上層に運び上げるシーンが描かれているのだが、その部分だけ赤かったり白かったり・・・一番上がまだレンガの赤が残っているのに下層の方は古びていたりするなど、「今、まさにこの塔を作っている」という現在性・時間の経過を一枚の絵に見事に表現している。

どれだけ眺めていても飽きない絵である(混雑していたので、ちょっと見たらすぐ離れないといけなかったのは残念だったけれども)

 

 

ただバベルの塔は別格だったものの、それ以外ではむしろボスの作品の方に心を惹かれた。

特に印象的だったのが「聖クリストフォロス」。

ボスといえば「樹木人間」に代表されるような奇想的なモンスターの描写で、ブリューゲルもその影響を多分に受けたようだが、この「聖クリストフォロス」は、そこまで奇怪な表現は過剰ではなく絶妙に存在することでより一層絵の不気味さを掻き立てている。

とくに「吊るされた熊」「廃墟の怪物」なんかは、自己主張は弱いけれども、確かな不気味さを見る側に与えてくれる。会場に付された解説もなるほど、と思わせるものだったのでぜひ見てみてほしい。

川を渡る巨人クリストフォロス自体は聖書の話をふまえているだけなので、ボスオリジナルの不思議な存在では決してないはずなのに、この絵の中に含まれると、この巨人の姿ですら奇想なモンスターのように思える。

 

この、あらざるものへの想像力(あるいは象徴への意識)こそがボスの魅力であり、当時のネーデルラント美術界を魅了したものであり、そしてブリューゲルバベルの塔へとつながるものだったのだろうと思う。

 

 

なお、当美術展では大友克洋による「バベルの塔内部」の絵も展示されていた。

さすが・・・細かい描写を書かせたら当代随一の作家・・・「バベルの塔」とデジタル的に融合させた絵であったが、ほとんど違和感がない。

現実に大きな展示絵に顔を近づけて見てこそ、なので、ぜひ会場に足を運んで観てもらいたい。

ツアー・オブ・ノルウェー2017

ジロで盛り上がっている自転車界隈ではあるが、その裏番組(?)としてのツアー・オブ・ノルウェーもなかなかに盛り上がる展開だった。

 

第1ステージは地元ボアッソンハーゲンが勝利。

しかし第2・第4ステージではボアッソンハーゲンが失速し、ともにオランダのフルーネヴェーヘンが勝利。

さらには第3ステージでタイム差をつけてピーター・ウェイニング(ルームポット)が勝利したことで、総合首位にウェイニングがつく形に。

 

 

とはいえ、総合順位では3秒差でゲランスとボアッソンハーゲンが後ろについている状態。ウェイニングではスプリント上位につくことは難しいと思われるため、逃げ切りなどが決まらない限り、このゲランスかボアッソンハーゲンがスプリント勝負で総合を争う、という形式になった。

 

 

しかしここでドラマが生まれる。

ゴールまで12km地点で、道路上の水たまりを避けようとしたのか、ボアッソンハーゲンが落車。

すぐ自転車を交換しようとしたが、自分の体型と合わなかったのか、貰った自転車も、続いてきたチームメートの自転車も受け取ってすぐに交換する、という状況。ようやく2人目のチームメートの自転車に乗って集団に戻ろうとする。

正直、ボアッソンハーゲンの復帰は絶望的。

すでにフルーネヴェーヘンもトラブルで遅れており、ゲランスが優位か、と思われた。

 

 

しかしここで、集団がボアッソンハーゲンを待つことに決める。

地元の英雄であるボアッソンハーゲンに対する、プロトンの敬意の表れか。

もちろん落車で体を痛めているボアッソンハーゲンが完全な状態でスプリント勝負できるかどうかはわからない。

しかしそれでも、最後の勝負には参加はさせる――そんな心意気をプロトンが見せた瞬間だった。

 

 

そして最後のスプリント。

ここで、ボアッソンハーゲンが優勝。ゲランスは2位。

この展開で、まさかのボアッソンハーゲン優勝。

彼は地元最高峰のレースであるこのツアー・オブ・ノルウェーで、4年ぶり3回目の総合優勝を果たした。

おめでとう、ボアッソンハーゲン。

なかなか目立てない彼のこの勝利は嬉しいところだ。

ツアー・オブ・カリフォルニア2017 第1ステージ

サクラメントサクラメント(167.5km)

カリフォルニア州州都サクラメントを舞台にして行われた、ド平坦のスプリントステージ。

逃げは4人。ジェリー・ベリーのベン・ウォルフ(アメリカ、23歳)、ユナイテッド・ヘルスケアのジョナサン・クラーク(オーストラリア、32歳)、ノボ・ノルディスクのシャルル・プラネット(フランス、23歳)、そしてBMCレーシングのフローリス・ヘルツ(オランダ、25歳)である。

 

逃げ切りがほぼ不可能な初日スプリントステージで、下位クラスチームによる逃げといういわば「セオリー外し」の行動をヘルツが獲った理由は、チームスポンサーのタグ・ホイヤーが後援するヤングライダー賞ジャージを何としてでも獲りたかったから、だろう。中間スプリントポイントで1位と2位を獲得してボーナスタイム5秒を得たヘルツは、最終スプリントでトップライダーたちから4秒遅れでゴールし、なんとかギリギリで新人賞ジャージを獲得した。

 

 

トップスプリンターたちの演じる最終スプリント勝負は、前評判通りにマルセル・キッテルが「最強」を誇示する走りを見せた。最強の発射台役ファビオ・サバティーニから撃ち出されたキッテル砲の威力は凄まじく、その後ろに飛びついたペーター・サガンも、一度たりとも彼に並ぶことができないまま2位でゴールした。

 

まるで、2014年までのツールで見せていた彼の強さが、戻ってきたかのようだった。

3位はエリア・ヴィヴィアーニ、4位はジョン・デゲンコルブ。この辺りも、「最強」に一段劣ると思われていた彼らの状態の良さが垣間見える着順だった。BMCレーシングのジャンピエール・ドラッカーも5位と、この面子の中では僥倖とも言える結果となった。

一方で、リック・ツァペルのリードアウトを得たアレクサンダー・クリストフは13位と、イマイチな結果に終わってしまった。未だ、エシュボルン・フランクフルト以外でのワールドツアー勝利のない彼の復活はこのカリフォルニアで見ることはできるのだろうか。