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ツール・ド・フランス第1ステージ

レースレポート

全長168.5km。平坦ステージ。

途中に4級、4級、3級と小さな山岳ポイントが続く。

 

アクチュアルスタート直後に3人が逃げに飛び出す。

ザックス・ローゼンタールのペトル・ヤンクロフスキフォション・ラファイエットのオリヴィエ・ブラン、パブリシス・ブルターニュのローラン・ディアッラ

いずれもプロコンチネンタルチームの選手であり、プロトンはこれを即座に容認した。

 

ブランは25歳のフランス人で、ツール・ド・フランス初出場。

ディアッラも26歳のフランス人で、ツール出場経験は1度だけという、ほぼ新人に近い組み合わせ。

対するヤンクロフスキは既に35歳。プロ歴13年目であり、かつてワールドツアーチームに在籍していた歴戦の強者である。

 

 

最初の山岳ポイントは68km地点にある4級山岳(登坂距離1.6km、平均勾配7.1%、標高差113.6m)。4級とは思えない人の入りに驚かされる。

 

最初に先頭を走っていたのはヤンクロフスキだったが、残り500mで脇からディアッラとブランが前に出てヤンクロフスキは少し離される。

ブランが一度前に出るがディアッラが抜き返し、さらにブランがもがいてまた前に出たが最後のカーブをインで入ることのできたディアッラが差し返した。

4級とは思えない全力の打ち合いだった。

そしてヤンクロフスキは完全に力負けしてしまった。

 

 

87km地点の中間スプリントポイントの500km手前でヤンクロフスキが単独で飛び出す。

山岳ポイントと違って中間スプリントは、獲得したとしてもポイント賞ジャージの獲得にはまず繋がらない。賞金が多少出るだけである。

だからブランもディアッラも、次の山岳ポイントに向けて足を貯めるべく、このヤンクロフスキのアタックに反応しなかった――それこそが、彼の狙いであることを、知る由もなく。

 

ヤンクロフスキはそのままペダルを回し続けた。

2人が気付いたときにはもう遅かった。

チェコ選手権個人TTチャンピオンでもあるヤンクロフスキの独走力の前に、ブランもディアッラも追い付くことはできず、やがて諦めてメイン集団に飲み込まれることとなった。

 

 

そのままヤンクロフスキは103.5km地点の4級山岳(登坂距離1.8km、平均勾配6.6%、標高差118.8m)を先頭通過。しかし問題はこの後だった。

 

129.5km地点の3級山岳(登坂距離4.5km、平均勾配6.8%、標高差306m)を獲る前にメイン集団に飲み込まれてしまっては、山岳賞ジャージを手に入れることはできない。

しかしその山頂がゴール前39km地点という微妙な位置。果たして逃げ切れるのか――。

 

まさに、ギリギリの戦いだった。

すでに彼の15秒後ろには集団が迫ってきていた。

最後の勾配をヤンクロフスキは全力でもがき、彼にとってのゴールがまさにそこであるかのように、ヤンクロフスキは3級山岳の山頂を通過した。

まるでアルプスの山頂のような大歓声に迎えられながら。

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そしていよいよ始まる大集団のスプリント。

一部のチームがピュアスプリンターの振るい落としのために3級山岳の登りでペースを上げていたものの、結局はゴールまでの長い下りと平坦によって役者が揃った状態でゴール前を迎える。

 

ウィンザー・バイヤスドルフのマルティン・ケラー。

ブレシアメタル・ベネトンのマリアン・ホッサ。

ミレル・ソラーズのステファン・ラウリッツェン。

リール・エルスのディディエ・プラティニ

フォションラファイエットのシルヴァン・ギャロス。

そしてオメガ・ノヴァルティスのリンフォード・ルイス。

とくにルイスは自国開催のこのツールで第1ステージ勝利&マイヨ・ジョーヌ着用を目指していたし、期待されてもいた。

 

ゴール前5kmから始まる、スプリンターチーム同士の熾烈な争い。

ディエゴ・リヒトシュタイナーが牽引するオメガ・ノヴァルティストレインと、マティアス・クローゼが牽引するデクシア・フォルティス・アジアストレイン。

さらにはマヌエル・ゲッツェが牽引するウィンザー・バイヤスドルフのトレインとフォションラファイエットのトレインがそこに加わる。

 

フラム・ルージュを先頭で通過するノヴァルティストレイン。最後の右カーブも頭をしっかりと取った。

しかし、先陣を切るのが早すぎたのか、残り500mを切る頃にはトレインが崩壊し始め、残り300mの地点で早くもルイスは発射せざるをえなくなった。

次いで後ろから飛び出すウィンザー・バイヤスドルフのマルティン・ケラー。

圧巻の勢いでルイスを抜き去る。

その背後にぴったりとくっついているのはブレシアメタル・ベネトンのマリアン・ホッサ。

さらに右からはミレル・ソラーズのステファン・ラウリッツェンも飛び出してきていた。

 

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優勝はケラー。2位にホッサ。

3位にラウリッツェンがついて、ルイスは4位に沈んでしまった。

 

悔しさに打ちひしがれるルイス。

そしてケラーは、2年連続の初日勝利&マイヨ・ジョーヌを獲得した。

 

ホッサは新人賞ジャージを獲得。

山岳賞と敢闘賞はペトル・ヤンクロフスキである。

 

 

リザルト 

 

敢闘賞:ペトル・ヤンクロフスキ(チェコ、35歳)