ベルギー 奇想の系譜展

先日のバベルの塔展に続き、ヒロニムス・ボスやピーテル・ブリューゲルがフューチャーされた作品展。しかし後半からは20世紀前後の作品も多く展示され、バベルの塔と連続性を持ちながらも、また新たな魅力を発見できる作品展だった。

 

バベルの塔展で見て好きだったボスの「聖クリストファ」がなかったのは残念。しかしボスの「トゥヌグダルスの幻視」は迫力満点。入口付近にあった、同作品の動画版も、音楽と合わせ絶妙な不気味さを醸し出しており、一見の価値あり。

また、同じく入口に用意された、ヤン・ファーブルの「フランダースの戦士」も、何とも言えぬ迫力があり時間をかけて様々な角度から眺められる良い作品だった(終盤のファーブルの作品はあまり興味をもてなかったが、このフランダースの戦士は良かった)。

 

そして個人的に最も、期待以上に良かったのが、ヴァレリウス・サードレールの「フランドルの雪」と、ウィリアム・ドグーヴ・ド・ヌンクの「運河」「黒鳥」といった、20世紀前半の作品たちであった。前者はカンヴァスの3分の1以上を占める空の蒼色の美しさ、そして後者はビリジアンブルーの得も言われぬ感傷的な美しさが印象的だった。「黒鳥」のアイフォンケースが売っていたのでつい買ってしまったほどだ。普段そういうのは一切買わないというのに。

 

まあ、そもそも自分が風景画が好きというのもあるのだけれど。ボスやボス・リバイバルの作品群も、奇妙なモンスターたち以上に、その背景の不気味さをもった遠景にこそ惹かれる部分があるので(「トゥヌグダルスの幻視」背景の燃える家とか、今回はなかったけどボスの「聖クリストファ」の遠景の廃墟に佇む巨大な怪人とか)。

 

 

期待せずに行ったが、想像以上に楽しめた奇想の系譜展。

おすすめである。