らいたーずのーと2

旅行、自転車、現代美術、食、歴史、文学、哲学など雑多に綴る。

令和元年12月 京都旅行記 第二日「宝厳院・天龍寺・厭離庵・保津川遊船」

 

前回に引き続き、京都旅行記の二日目を書いていく。

今日のメーンイベントは保津川の川下りと夜のトロッコ電車。

しかし今日も、当初は予定していなかった「穴場」が実に美しかった。

 

 

1.宝厳院、天龍寺、弘源寺

まず、朝7時に朝食を取ったあと、朝9時の開門に合わせ、旅館のすぐ目の前にある宝厳院へ。

室町時代の禅僧・策彦周良禅師によって作庭された回遊式山水庭園「獅子吼(ししく)の庭」は、嵐山の風景を借景しているという。

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こちらも散り紅葉の美しい絶妙な風景。

 

その後は後醍醐天皇および足利尊氏ゆかりの禅寺「天龍寺」およびその別院塔頭「弘源寺」に。

後醍醐天皇を讃える言葉が書きつけられていたうえで尊氏の像も祀られていて、これはどういうことかと訝しんだが、何でも、当時武家からも強い尊崇を受けていた禅僧・夢窓疎石が後醍醐天皇の崩御に際し、その菩提を弔うよう尊氏に強く勧めたのが始まりだという。

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弘源寺では秋の特別拝観を開催中(12/9まで)。色とりどりの色彩で果物や野菜、動物などを描いた扇絵や、縁側から見える枯山水庭園、そして柱に残る長州志士の刀傷などが見所となっていた。

 

 

天龍寺を離れると、京都府道29号を北上していくうちに、右手に「りらっくま茶房」なる店が・・・。

2年前にオープンしたというが、なかなかのインパクトある店構えである。

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「キイロイトリのハニーホイップコーヒー(Hot)」(上記4枚目)を飲んで温まりながら、次の目的地へと向かう。

 

 

2.昼食と保津川下り

午後のメーンイベントは、亀岡まで行っての「保津川の川下り」。

だが亀岡行きの電車までまだ時間があったため、JR嵯峨嵐山駅周辺で昼食を取ることに。

 

見つけたのは、元は銭湯だったものをカフェにしたという「嵯峨野湯」。

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店内の雰囲気も落ち着いていてお洒落で、言われないと銭湯だったなんてまったく気がつけない。

レジ台に「Bantou」と名付けられていたり、2Fに上がる階段がかなり急なところにそれをわずかに感じさせるくらいか・・・。

 

この店の看板メニューは、特殊な食べ方をするらしい豆腐パスタなるもののようだが、それではなく蓮根のたっぷり入ったボロネーゼ(上記6枚目)と、もう1つの看板メニューであった嵐山に見立てた形のチーズカレー(上記5枚目)を頼んだ。

とくにカレーの方は普通に美味しくて、チーズはもちろん、しっかりと入っているビーフも存在感を放っていた。結構辛かったし。

 

 

昼食を終えたあと、JR山陰本線に乗って亀岡駅へ。

そこから木津川下りの乗り場へと向かうのだが、駅前には2020年オープン予定の「京都スタジアム」の建設が着々と進む光景が!

周囲に何もないがらんとした風景の中に、住人不在の巨大なスタジアムと、その周辺に広がる人気のない工事現場とが、なんとも言えない雰囲気を醸し出していた。

 

そして木津川下りへ。

11月のハイシーズン期には2時間待ちなどもあり得るというこの人気のアクティビティ。

今回はまったく待ち時間なく、問題なしで直後の便に乗ることができた。

さすが、シーズンをややずらした甲斐があった。紅葉は完璧ではないものの、その分かなり快適な旅を楽しめている。

 

船旅は周辺の美しい景色と急流区間のスリリングな体験もさることながら、個性的な船頭さんたちによる掛け合いや解説も楽しめる、一大アミューズメントとなっている。

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終着点が近づくとどこからともなくやってくる物売りの船に横付けされ、温かいおでんだとかみたらし団子だとかを売りつけられるという事態に(下記5枚目・6枚目)。

すでに酒もつまみも十分に買い込んで、これを楽しみながら下っていた我々も、つい買わざるをえなかったね、これは。

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あと面白かったのが、崖に住まう猿の大群。真っ赤な顔をした小さな猿たちが群れをなして、船が近づくと鳴きながら逃げ去っていく姿は愛らしかった。

 

シーズンにより見られる風景も何も変わってくるだろうが、次はビールの美味しい夏の季節にやってきてみたい。

 

 

3.厭離庵とトロッコ列車

亀岡から嵐山まで川下りを楽しんだあと、予約してあるトロッコ列車の時間まで間があったため、市内西北部に位置する厭離庵へ。

小倉百人一首の撰者・藤原定家の山荘跡と伝えられており、江戸時代初期に定家の子孫が臨済宗天龍寺派の寺院として開山した。

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現在は晩秋のごく一部の期間のみ一般公開しているらしく、最終日の閉館ギリギリの16時直前に滑り込むようにして入り込めた。

全体的にこじんまりとしていて派手な展示物などは何もないが、1日目の圓光寺同様、散り紅葉の美しい満足度の高いスポットだった。

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この秘境を堪能したのち、竹林を潜り抜けながら徒歩で南下してトロッコ嵯峨嵐山駅へ。

ここから今日のメーンイベントの2つ目、トロッコ列車の旅へ向かう。

 

 

嵯峨野トロッコ列車はJR山陰線の複線化によって使われなくなった路線を走り、トロッコ嵯峨嵐山駅からトロッコ亀岡駅までを走る。途中、トロッコ嵐山駅と珍しい「陸橋の上の駅」トロッコ保津川駅を通過する。

昼の時間であれば木津川と渓谷の美しい風景を眺められ、木津川下りの乗客たちと手を振り合うなんてこともできるのだが(実際に我々が下っていたときには、通過したトロッコ列車の乗客たちから手を振られた)、さすがに人気が高く、日中の予約席はすべて完売。

紅葉ライトアップを楽しめる夜の部しか空いていなかった。

 

紅葉ライトアップは十分に美しかったが、写真で撮るのはなかなか難しく。

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行きはトロッコ列車、帰りは木津川下りというのも定番ルートのようなので、夏にでもリベンジした際はなんとか昼の部のものに乗ってみたい。

その場合、どれくらい前から予約するべきか、検討もつかないけれど・・・。

 

 

トロッコ列車に乗って、帰りはJRで帰ってきてすっかりと夜に閉ざされた嵐山の街並み。

旅館に帰ってきて、おそめの夕食に取り掛かる。

 

 

4.夕食

今回の旅は嵐山「らんざん」に連泊だったため、2日目の夕食もここで。

魚メインだった昨日と違い、今日は牛すき焼き鍋や天ぷらなど、なんか昨日より豪華な気がする。

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とくに穴子の天ぷら(上記8枚目)は、これまで食べた穴子の中で最も美味しかったんじゃないかと思うくらいに絶品だった。

天ぷらと言っても、鼈甲飴によって漬け込まれていて、サクサクとした食感ではなくしんなりとしたもの。

それがまた、味がしっかりと穴子の身に染み込む結果となっており、一口一口に穴子の淡白な味わいと、鼈甲飴の旨味甘味とがバランスよく入り混じり、この上ない幸せを感じさせたのである。

 

相変わらずご飯と漬物もクオリティが高く、量も多すぎなく丁度良いため、二日目の夕食も非常に満足のいくものとなった。

 

 

朝から晩まで散策・食べ歩き・アクティビティと幅広く全力で遊び尽くした二日目。

そしてあっという間に最終日。名残惜しいが、まだまだ見たいものは多く、三日目も全力で楽しんでいく。