らいたーずのーと2

旅行、自転車、現代美術、食、歴史、文学、哲学など雑多に綴る。

ツアー・オブ・ノルウェー2017

ジロで盛り上がっている自転車界隈ではあるが、その裏番組(?)としてのツアー・オブ・ノルウェーもなかなかに盛り上がる展開だった。

 

第1ステージは地元ボアッソンハーゲンが勝利。

しかし第2・第4ステージではボアッソンハーゲンが失速し、ともにオランダのフルーネヴェーヘンが勝利。

さらには第3ステージでタイム差をつけてピーター・ウェイニング(ルームポット)が勝利したことで、総合首位にウェイニングがつく形に。

 

 

とはいえ、総合順位では3秒差でゲランスとボアッソンハーゲンが後ろについている状態。ウェイニングではスプリント上位につくことは難しいと思われるため、逃げ切りなどが決まらない限り、このゲランスかボアッソンハーゲンがスプリント勝負で総合を争う、という形式になった。

 

 

しかしここでドラマが生まれる。

ゴールまで12km地点で、道路上の水たまりを避けようとしたのか、ボアッソンハーゲンが落車。

すぐ自転車を交換しようとしたが、自分の体型と合わなかったのか、貰った自転車も、続いてきたチームメートの自転車も受け取ってすぐに交換する、という状況。ようやく2人目のチームメートの自転車に乗って集団に戻ろうとする。

正直、ボアッソンハーゲンの復帰は絶望的。

すでにフルーネヴェーヘンもトラブルで遅れており、ゲランスが優位か、と思われた。

 

 

しかしここで、集団がボアッソンハーゲンを待つことに決める。

地元の英雄であるボアッソンハーゲンに対する、プロトンの敬意の表れか。

もちろん落車で体を痛めているボアッソンハーゲンが完全な状態でスプリント勝負できるかどうかはわからない。

しかしそれでも、最後の勝負には参加はさせる――そんな心意気をプロトンが見せた瞬間だった。

 

 

そして最後のスプリント。

ここで、ボアッソンハーゲンが優勝。ゲランスは2位。

この展開で、まさかのボアッソンハーゲン優勝。

彼は地元最高峰のレースであるこのツアー・オブ・ノルウェーで、4年ぶり3回目の総合優勝を果たした。

おめでとう、ボアッソンハーゲン。

なかなか目立てない彼のこの勝利は嬉しいところだ。